エマニュエル・ムディエイが活躍できなかった理由とは


俺は信じる、

 

エマニュエル・ムディエイ(デンバー・ナゲッツ)。

Instagram(Emmanuel Mudiay@emmanuelmudiay)https://www.instagram.com/p/BTpBU7ij_lf/?hl=ja&taken-by=emmanuelmudiay

 

スポンサーリンク
 

・2年目のジンクスなのか

シーズンの終盤で勝ち星を重ねたものの、あと一歩プレーオフ突入には及ばなかったデンバー・ナゲッツ(40勝42敗)。今オフにエースのダニーロ・ガリナリを放出し、新たなチーム戦略を描こうとしているそのチームは、スター選手こそ不在だが、全員で得点を取りに行くバスケットを展開してきた。しかし、2015年にドラフト7位で鳴り物入りしたエマニュエル・ムディエイ(Emmanuel Mudiay)にとっては不本意なシーズンとなった。

 

そのポテンシャルの高さから大型ルーキーといわれたエマニュエルムディエイの1年目は、オールルーキーセカンドチームに選ばれるなど、ナゲッツの先発ポイントガードとして今後の活躍を期待させるものだった。ところが、2年目の2016-17シーズンは開幕から調子が悪く、11月の終わりには平均31.9分、FG成功率36.0%、3P成功率27.5%、4.3アシスト、3.4ターンオーバーの散々な結果。各チームの先発ポイントガードと比べると、正直ムディエイがチームの先発レベルとは思えなかった。

 

結局彼は55試合に出場し41試合で先発。平均25.6分、11得点、FG成功率37.7%(3.8-10.0)、3P成功率31.5%(1.0-3.2)、FT成功率78.4%(2.4-3.0)、3.9アシスト、2.2ターンオーバーを記録した。68試合に出場した1年目とほぼ同じスタッツといっていい。ただ、平均出場時間が30.4分から2年目は25.6分に減り、得点(12.8->11.0)とアシスト(5.5->3.9)も減少した。

 

最近のアフリカゲームでのムディエイ(3分3秒)

 

広告
 

21歳のエマニュエルムディエイがチームに与えるインパクトは1年目ほど大きくはなかった。オフェンスの不振と背中の痛みの影響で1月以降、先発の座はベテランのジェミーア・ネルソンが務めるようになった。のち、ルーキーのジャマール・マレーが台頭してきたこともあって、ムディエイの立場はさらに不安定なものになり、ベンチスタートや試合にすら出してもらえない日が続いた。

 

16-17シーズンが終わり、ナゲッツのポイントガード陣を振り返ると、ネルソンはアシストが多くターンオーバーも少ないので安定しており、そしてゆくゆくはマレーがナゲッツの先発ガードになっていく印象を受けた。

 

これほどまでにムディエイが直面する2年目のジンクスの洗礼というものは厳しいのだろうか。現にこのオフにフェニックス・サンズのエリック・ブレッドソーが絡むトレード要因としてうわさがあがったこともある。あれほど期待されたムディエイの立場はなくなってしまうのか。

 

しかし、これがエマニュエルムディエイ本人の不調の枠を越えるものであるならば、話はそう単純ではない。結論からいえば、ユスフ・ヌルキッチとのラインナップが上手く機能していなかった。センターのユスフヌルキッチは2月のトレード期限日にナゲッツからポートランド・トレイルブレイザーズへ移籍した選手だ。

 

ムディエイが先発をしていた16-17シーズン前半のナゲッツは、センターのヌルキッチが先発出場することが多く、これが不幸な結果を招いた。ヌルキッチがムディエイの攻撃スペースを潰していたのだ。

 

そもそもムディエイの持ち味は、196センチのサイズとスピードを生かしたドライブからゴール付近で得点を重ねることである。インサイドを本拠地とするヌルキッチのディフェンダーは当然インサイドにいるため、例えばいくらピックアンドロールが上手くいったとしてもムディエイはミドルもしくはロングシュートを選ぶ場面が増えてしまう。ジャンプショットは彼の強化ポイントゆえに、弱点ばかりが浮き彫りとなる仕組みになっていた。

 

ここでムディエイとデンバーの各ビッグマンの相性を見てみる。

ムディエイと OR DR NR
ヨキッチ 116.2 111.6 +4.6
プラムリー 106.2 105.7 +0.5
アーサー 103.1 113.2 -10.2
ファリード 104.9 115.3 -10.3
ヌルキッチ 94.4 113.1 -18.7

NBA.comより

※OR(オフェンシブレイティング):その選手が出場している間のチームの100ポゼッション当たりの得点指標、DR(ディフェンシブレイティング):その選手が出場している間のチームの100ポゼッション当たりの失点指標、NR(ネットレイティング):OR – DR,プラスが大きいほど良い

 

また、シーズン前半で頻繁に先発出場したPG-PF-Cの組み合わせの相性も見てみよう。

ムディエイと OR DR NR
ヨキッチ-ヌルキッチ 95.7 107.8 -12.0
アーサー-ヌルキッチ 101.0 114.9 -14.0
ファリード-ヌルキッチ 91.8 113.3 -21.5

NBA.comより

 

ムディエイとヌルキッチのコンビからはポジティブな要素を見出すことは出来ず、ムディエイ-ファリード-ヌルキッチというインサイドのスペースが埋まってしまう布陣ではオフェンスの流動性は皆無だ。逆にムディエイとニコラヨキッチとの相性は良く、これはヨキッチの試合でのポジションがインサイドだけにとどまらないから、ムディエイの攻撃スペースが確保されることに起因していると思われる。実際ヨキッチはミドルやロングからシュートを打つし、パスの散らばし方も上手い。

 

ヌルキッチがシーズンの途中で移籍したこともあって、だんだんとビッグマンのニコラヨキッチ中心のチームになってきた。これはムディエイの攻撃スタイルがフィットするチームへと変化した、ということが可能である。

 

リムまでドライブするスペースが無かったオールスター前の彼は平均28.1分、11.8得点、FG成功率36.9%(4.1-11.0)、3P成功率30.6%(1.1-3.6)、4.2アシスト、2.5ターンオーバーを記録。ムディエイのその期間のシュートに占めるプルアップの割合が28.8%、ゴールから3m以内のシュート割合が45.2%、ドライブの回数は7.5回、ドライブ後のFG成功率は39.7%(1.3-3.3)という感じだった。

 

そして、3月はたった5試合で平均9.2分しか出場していないが、ジャミーアネルソンの負傷のため、4月は5試合で平均23.6分出場し12.2得点、FG成功率45.5%、3P成功率36.4%(0.8-2.2)、5.2アシスト、1.8ターンオーバーをマークした。その4月の5試合におけるシュートに占めるプルアップの割合が18.2%、ゴールから3m以内のシュート割合が61.4%、ドライブの回数は7.4回、ドライブ後のFG成功率は55.6%(2.0-3.6)と明らかにオールスター前のムディエイとは違うことが分かる。

 

ヨキッチ中心のチームになったために、インサイドのスペースが解放されたのだ。ドライブの回数はほぼ同じではあるが、プルアップの割合が減り、ゴールから3m以内のシュート割合が増加。それに伴ってドライブ後のFG成功率も増加し、パスへもさばけるからかアシストも増加、ターンオーバーが減少するなどまさに水を得た魚のよう。

 

わずか5試合のデータなので確実性という点では説得力に欠けるものの、今後への期待は膨らませて良いのではないか。17-18シーズンのナゲッツの開幕ロスターに果たしてムディエイがいるかは分からないけれども、3年目はそのポテンシャルを大いに発揮してほしいところだ。

 

ちなみに、ヌルキッチを悪者扱いした感があるが、あくまで相性・組み合わせの問題に過ぎない。現にヌルキッチのプレースタイルは移籍先のブレイザーズで上手くマッチし、彼はキャリアハイ(15.2得点、10.4リバウンド)の良いシーズンを送った。ダミアン・リラードやC.J.マッカラムはスクリーン後ジャンパーで得点できるため、ヌルキッチと馬が合ったのだろう。

 

キャリアハイタイの30得点!(2分50秒)

 

スポンサーリンク
 

バスケットが好きなら(tipsPie.com

厳しいディフェンスでの1対1をドウェインウェイドから学ぶ

スローインから簡単にシュートスポットを作るプレーを学ぶ

フィニッシュ力とハンドリングの向上に役立つプレーを紹介

 

ナゲッツの関連記事

ジャマール・マレーの大ブレイクに賭けてみるの巻2017年5月25日

パスで魅せるビッグマン、ルーキー1stのニコラ・ヨキッチ2016年7月2日

急上昇ウィル・バートンがシックスマンオブザイヤー候補2015年12月15日

プチブレイク中の若手SG ゲイリー・ハリスがイイネ!2015年11月25日